この記事では、売掛金元帳や買掛金元帳の役割や記入方法について解説します。
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売掛金元帳・買掛金元帳とは?
仕訳帳や総勘定元帳に記入される売掛金や買掛金は、全ての得意先や仕入れ先の売掛金や買掛金が総額て記入されています。そのため、取引先ごとの残高を把握することはできません。
そこで、売掛金元帳・買掛金元帳という補助元帳(補助簿)を作成し、取引先ごとに管理することがあります。
★ 補助簿
簿記の手続きにおいて最低限必要な帳簿を主要簿といいます。これに対して、主要簿の内容を補足するために任意に作成される帳簿を補助簿といいます。
売掛金元帳の記帳方法
売掛金元帳は、売掛金について取引先ごとに分けて記帳する補助簿です。また、売掛金がある取引先を得意先というため、売掛金元帳は得意先元帳ともいわれます。
売掛金元帳には以下の内容を記入するのが一般的です。
- 取引年月日
- 摘要
- 借方・貸方の金額
- 借/貸 の欄(残高がプラスであれば「借」、マイナスであれば「貸」と記載する)
- 残高

また、上記のような記帳方法は残高式という形式になります。これ以外にも、簡略化したT字形式(簡略式)で示すこともあります。

このように、総勘定元帳(主要簿)に加えて売掛金元帳(補助簿)を作成することで、売掛金勘定の残高と得意先ごとの残高を把握することができます。
買掛金元帳の作成方法
買掛金元帳は、買掛金について取引先ごとに分けて記帳する補助簿です。また、買掛金がある取引先を仕入先というため、買掛金元帳は仕入先元帳ともいわれます。
買掛金元帳には以下の内容を記入します。
- 取引年月日
- 摘要
- 借方・貸方の金額
- 借/貸 の欄(残高がプラスであれば「貸」、マイナスであれば「借」と記載する)
- 残高

売掛金元帳と同様に、T字形式(簡略式)で示すこともあります。
このように、総勘定元帳(主要簿)に加えて買掛金元帳(補助簿)を作成することで、買掛金勘定の残高と仕入れ先ごとの勘定残高を把握することができます。
練習問題
以下の取引にもとづいて、売掛金元帳の(ア)〜(ウ)に当てはまる語句または金額を答えなさい。なお、?については各自推定すること。
4月2日 | A商店に商品500円を売り渡し、代金は掛けとした。 |
3日 | B商店に商人300円を売り渡し、代金は掛けとした。 |
4日 | A商店に売り渡した商品のうち、50円が品違いのため返品された。 |
25日 | A商店の売掛金のうち200円を現金で回収した。 |
30日 | B商店の売掛金のうち100円を現金で回収した。 |

(参考)各取引の仕訳
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 | |
2日 | 売 掛 金 | 500 | 売 上 | 500 |
3日 | 売 掛 金 | 300 | 売 上 | 300 |
4日 | 売 上 | 50 | 売 掛 金 | 50 |
25日 | 現 金 | 200 | 売 掛 金 | 200 |
30日 | 現 金 | 100 | 売 掛 金 | 100 |