クレジット売掛金とは?仕訳や手数料の処理について

簿記の解説
簿記の解説

商品を相手方に販売したときに、クレジットカードを提示されることがあります。そのときには通常の売掛金などと区別してクレジット売掛金勘定を用いて処理をします。

この記事では、クレジット売掛金の会計処理について解説します。

この記事を読めばわかること

 クレジット取引とは何か

 クレジット売掛金の仕訳

クレジットカード取引とは?

クレジット売掛金は、商品を引き渡し、代金についてはクレジットカードを提示されて決済を受けた場合に使用する勘定科目です。

商品を売り上げ、その代金決済がクレジットカードで行われた場合、信販会社(クレジットカード会社)に対して、売掛債権が発生します。
つまり、クレジットカードを使用して販売代金を決済については、クレジットカード会社が販売会社と顧客の間に入るようなイメージです。

この売掛債権は、当社の顧客に対しての直接的な売掛債権ではなく、信販会社に対しての債権なので、一般営業債権である売掛債権と区別するために、クレジット売掛金(資産)勘定を使って記録します。

クレジット売掛金の会計処理

売上を計上するときに、クレジットカードでの支払いによる売掛金は、『クレジット売掛金(資産)』として、通常の現金払いによる売掛金とは区別しておきます。

また、売上の計上時にクレジットカード会社への『支払手数料(費用)』の勘定科目を計上します。これは、クレジットカード会社を利用するために発生する手数料です。

借   方金 額貸   方金 額
クレジット売掛金
支払手数料
XXX
XXX
売  上XXX

また、代金を現金等で回収した時は通常の売掛金と同様に処理します。

借   方金 額貸   方金 額
現 金 等XXXクレジット売掛金XXX

クレジット売掛金の例題

クレジット売掛金は簿記3級でも出題される内容です。この記事では、基本的な例題について解説します。

例題

クレジット・カードの提示を受け、商品10,000円を販売した。クレジットカード会社に対する手数料は販売代金の2%であり、販売時に手数料を計上する。

借   方金 額貸   方金 額
クレジット売掛金
支払手数料
9,800
200
売  上10,000

販売手数料は販売代金10,000円の2%なので、200円となります。
クレジット売掛金の金額は販売代金から手数料を差し引いた9,800円を計上します。

なお、クレジット売掛金を現金で回収した場合は次のような仕訳になります。

借   方金 額貸   方金 額
現 金 預 金9,800クレジット売掛金9,800

この処理は通常の売掛金と同じで、代金を回収した時には売上債権が減少し、現金預金(資産)の増加となります。