【簿記3級】貸倒れとは?貸倒引当金の見積もりや償却債権取立益についてに解説!|貸倒損失・貸倒引当金・貸倒引当金繰入

簿記検定

この記事で解決できる悩み

  • 貸倒れとは?
  • 貸倒れの一連の取引を理解したい
  • 簿記3級を独学で勉強したい

貸倒れとは?

貸倒れかしだおれとは、得意先に対する売上債権うりあげさいけんが、相手方の倒産などによって回収できなくなることをいいます。

貸倒れが発生した場合は、その債権を帳簿から消去する処理が必要になります。

売上債権
後で代金を受け取る権利のことを債権といいます。また、商品売買によって生じる「売掛金」、「クレジット売掛金」、「受取手形」、「電子記録債権」を売上債権といいます。

貸倒れの処理

貸倒れが発生した場合は、売掛金などの債権が回収不能となるため貸方に記入します。そして、借方には貸倒損失(費用)勘定を記入します。

【貸倒れ①】
得意先が倒産し、同社に対する売掛金150円を貸倒れとして処理する。
借方貸方
貸倒損失150売掛金150

貸倒れの見積り(決算整理)

売上債権を扱う場合は、「債権が回収できない(貸倒れが発生する)かもしれない」と考えて、それに備える必要があります。

そこで、期末に売上債権の残高がある場合は、次期の貸倒れの見積額を計算して貸倒引当金かしだおれひきあてきん(資産の評価勘定)勘定を用いて仕訳をします。

貸倒引当金
得意先の倒産(貸倒れ)に備えて準備した金額のことをいいます。

貸倒引当金とは?

  • 貸倒れに備えて用意しているお金というイメージ。ただし、通貨などの現金ではない。
  • 売上債権の残高に一定の割合(貸倒実績率)を乗じて計算する

また、借方には貸倒引当金繰入かしだおれひきあてきんくりいれ(費用)勘定を記入します。

【貸倒れ②】
決算において、売上債権の期末残高10,000円に対して、実績率を3%として貸倒れを見積もる。
借方貸方
貸倒引当金繰入300貸倒引当金300

計算式:10,000円 × 3% = 300円

貸倒れ見積額の計算方法

  • 売上債権の期末残高 × 貸倒実績率 = 貸倒れ見積額

貸倒れの処理(貸倒引当金が設定されている場合)

貸倒引当金 > 回収不能額 の場合

売掛金などの貸倒れが発生したときに、回収不能額よりも貸倒引当金の残高が多い場合は、貸倒引当金を取り崩して充当するため、借方に貸倒引当金(資産の評価勘定)勘定を記入します。

【貸倒れ③】
得意先が倒産し、同社に対する売掛金250円を貸倒れとして処理する。なお、貸倒引当金の残高が300円ある。
借方貸方
貸倒引当金250売掛金250

貸倒引当金 < 回収不能額 の場合

貸倒引当金の残高が回収不能額よりも少ない場合は、引当金の足りない分を貸倒損失(費用)として借方に記入します。

【貸倒れ④】
得意先が倒産し、同社に対する売掛金250円を貸倒れとして処理する。なお、貸倒引当金の残高が150円ある。
借方貸方
貸倒引当金
貸倒損失
150
100
売掛金250

差額補充法による貸倒れの見積り(決算整理)

決算日に貸倒引当金を見積もって計上しますが、貸倒引当金の残高がある場合には、貸倒れの見積額から貸倒引当金の残高を差し引いた差額(不足分)を計上する方法があります。これを差額補充法といいます。

【貸倒れ⑤】
決算において、売上債権の期末残高10,000円に対して、実績率を2%として貸倒れを見積もる。なお、貸倒引当金の残高が50円ある。
借方貸方
貸倒引当金繰入150貸倒引当金150

差額補充法による貸倒引当金の計算方法は次のようになります。

計算式:(10,000 × 2% )ー 50 = 150

差額補充法による計算方法

  • (売上債権の期末残高 × 貸倒実績率) – 貸倒引当金の残高 = 貸倒れ見積額

当期販売分の債権が貸倒れた場合

当期の売買取引で発生した売掛金が貸し倒れた場合には、貸倒引当金の残高の有無に関わらず、全額を貸倒損失(費用)勘定として処理します。

当期に発生した債権については、まだ決算を経ておらず、前期末の見積もりには含まれていないためです。

【貸倒れ⑥】
得意先が倒産し、同社に対する当期販売分の売掛金80円について貸倒れとして処理する。なお、貸倒引当金の残高が200円ある。
借方貸方
貸倒損失80売掛金80

当期販売分の売掛金の貸倒れについては、貸倒引当金は使用しない点に注意しましょう。

前期以前に貸倒れ処理した債権を回収した場合

前期以前に貸倒れとして処理した債権を回収した場合は、償却債権取立益(収益)勘定を貸方に記入します。

前期に貸倒れとして処理しているため、売掛金勘定は消去済みのため帳簿には存在しません。そのため、貸方は売掛金勘定ではなく償却債権取立益で処理します。

【貸倒れ⑦】
前期に貸倒れとして処理していた得意先に対する売掛金180円を現金で回収した。
借方貸方
現金180償却債権取立益180

貸借対照表の表示

貸倒引当金は資産の評価勘定になります。資産の評価勘定とは、資産の金額を評価し直して、資産額を修正するための勘定科目です。資産の評価勘定を考慮することで、回収できると予想される金額に修正することができます。

貸借対照表上は、売上債権の金額から貸倒引当金の金額を控除した額を記入します。

練習問題

次のア〜エに当てはまる勘定科目または金額を答えなさい。? については各自推定すること。

  1. 得意先A社が倒産し、前期発生の売掛金1,000円が回収不能となった。なお、貸倒引当金の残高はない。
  2. 決算にあたり、売上債権の期末残高25,000円に対して、4%の貸倒引当金を見積もる。
  3. 得意先B社が倒産し、前期発生の売掛金800円が回収不能となった。なお、貸倒引当金の残高が1,000円ある。
  4. 決算にあたり、売上債権の期末残高30,000円に対して、3%の貸倒引当金を差額補充法により見積もる。なお、貸倒引当金の残高は200円である。
  5. 得意先C社が倒産し、当期発生の売掛金600円が回収不能となった。なお、貸倒引当金の残高が900円ある。
  6. 得意先D社が倒産し、前期発生の売掛金1,200円が回収不能となった。なお、貸倒引当金の残高が900円ある。
  7. 倒産したB社に対する売掛金800円について前期に貸倒れとして処理していたが、本日、全額を現金で回収した。
借方貸方
1(ア)1,000売掛金1,000
2(イ)(ウ)(エ)
3(オ)800売掛金800
4(カ)
5(キ)600売掛金600
6
(ク)
900
300
売掛金1,200
7現金800(ケ)800
  1. 貸倒損失
  2. 貸倒引当金繰入
  3. 貸倒引当金
  4. 1,000
  5. 貸倒引当金
  6. 700
  7. 貸倒損失
  8. 貸倒損失
  9. 償却債権取立益

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