この記事では、小口現金について解説します。
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小口現金とは?
小口現金とは事務用品の購入や交通費の支払いなど、日常的に発生する少額かつ頻繁な経費の支払いを迅速に処理するために、社内に準備しておく少額の現金のことをいいます。
小口現金は、一定期間に管理する金額を決めておく方法がとられます。これを定額資金前渡法(インプレスト・システム)といいます。

小口現金取引の仕訳
小口現金を前渡ししたとき
会計係が小口現金係に小口現金を前渡したときは、小口現金が増えたことになるため、小口現金勘定(資産)の増加として借方に記入します。
当社は定額資金前渡法(インプレスト・システム)を採用し、小口現金1,000円を小切手を振り出して支払った。
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 |
小 口 現 金 | 1,000 | 当 座 預 金 | 1,000 |
小口現金から支払ったとき
小口現金係が小口現金から支払いを行なった場合は、小口現金出納帳に記入して後からまとめて報告します。そのため、仕訳は行いません。
小口現金係は切手代300円と交通費250円、事務用品代200円を小口現金で支払った。
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 |
仕訳なし |
小口現金係から支払いの報告を受けたとき
会計係が小口現金係から支払いの報告を受けたときは、小口現金勘定(資産)を貸方に記入します。
会計係は小口現金係から次のような支払いの報告を受けた。
通信費 300円 旅費交通費 250円 消耗品費200円
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 |
通 信 費 旅費交通費 消 耗 品 費 | 300 250 200 | 小 口 現 金 | 750 |
小口現金を補給したとき
会計係が小口現金を補給したときは、小口現金が増えるため小口現金勘定(資産)を借方に記入します。
会計係は小口現金を補給するために、小切手750円を振り出した。
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 |
小 口 現 金 | 750 | 当 座 預 金 | 750 |
報告と補給を同時に行なったとき
会計係が小口現金係から支払いの報告を受け、ただちに補給をしたときは、小口現金勘定の増減を省略することができます。これは小口現金の減少と増加が同時に発生するためです。

会計係は小口現金係から次のような支払いの報告を受けたので、ただちに小切手を振り出して小口現金を補給した。
通信費 300円 旅費交通費 250円 消耗品費200円
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 |
通 信 費 旅費交通費 消 耗 品 費 | 300 250 200 | 当 座 預 金 | 750 |
通信費(費用)勘定:切手代、電話代、インターネット代など
旅費交通費(費用)勘定:電車代、バス代、タクシー代、宿泊費など
消耗品費(費用)勘定:ボールペンやコピー用紙など
小口現金出納帳とは?
小口現金出納帳とは、小口現金係が小口現金からの支払いと補給を記入する補助簿です。ここでは、「報告と補給が別の日に行われた場合」と「報告と補給が同時に行われて場合」の記入例を紹介します。


練習問題
次の仕訳のア〜ウに当てはまる勘定科目を答えなさい。? については各自推定すること。
- 定額資金前渡法(インプレスト・システム)を採用し、小口現金1000円を現金で用度係に渡した。
- 用度係から次のような報告を受けた。
通信費 600円 旅費交通費 300円 - 用度係に、上記2で支払報告を受けた金額を現金で渡して小口現金を補給した。
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 | |
1 | (ア) | 1,000 | ? | 1,000 |
2 | 通 信 費 旅費交通費 | 600 300 | (イ) | 900 |
3 | ? | 900 | (ウ) | 900 |
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