この記事では、貸付金と借入金の仕訳について解説します。
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貸付金と借入金
お金を借りた側は、後で借りたお金を返す義務を負い、貸す側は、貸したお金を返してもらう権利(債権)が生じます。
こうした、お金の貸し借りを取り決めた契約を金銭消費貸借契約といい、借用証書にもとづいて貸し借りが行われます。

★ 借用証書
金銭や物品の貸し借りにおいて返済の約束を証明する書類です。借りる側が作成して貸す側に提出し、借入金額、返済期日、利率などを記載するのが一般的です。
また、お金を貸す側と借りる側で利息の受け払いが行われます。一般的に、借りる側が貸す側に利息を支払います。

利息の計算方法の詳細について、次の記事で解説しているのでご覧ください。
貸す側の仕訳
お金を貸したとき
お金を貸す側は、貸したお金を返してもらう権利(債権)が生じるため、これを貸付金勘定(資産)を用いて処理します。

A社に1,000円を現金で貸し付け、借用証書を受け取った。
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 |
貸 付 金 | 1,000 | 現 金 | 1,000 |
利息を受け取ったとき
受け取る利息については受取利息勘定(収益)で処理します。(※お金を貸す側=利息を受け取る)

A社から貸付金の利息40円を現金で受け取った。
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 |
現 金 | 50 | 受 取 利 息 | 50 |
貸付金の返済を受けたとき
貸付金の返済を受けたときは、貸したお金を返してもらう権利(債権)が消滅するため、資産の減少として貸付金勘定(資産)を貸方に記入します。
A社に貸し付けていた1,000円について、現金で返済を受けた。
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 |
現 金 | 1,000 | 貸 付 金 | 1,000 |
借りる側の仕訳
お金を借りたとき
お金を借りた側は、借りたお金を返済する義務(債務)が生じるため、これを借入金勘定(負債)を用いて処理します。

B社へ借用証書を渡し、1,000円を現金で借り入れた。
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 |
現 金 | 1,000 | 借 入 金 | 1,000 |
利息を支払ったとき
支払う利息については支払利息勘定(費用)で処理します。(※お金を借りる側=利息を支払う)

B社へ借入金の利息50円を現金で支払った。
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 |
支 払 利 息 | 50 | 現 金 | 50 |
借入金を返済したとき
借入金を返済したときは、借りたお金を返済する義務(債務)が消滅するため、負債の減少として借入金勘定(負債)を借方に記入します。
B社から借り入れていた1,000円について、現金で返済した。
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 |
借 入 金 | 1,000 | 現 金 | 1,000 |
練習問題
次の一連の取引を仕訳し、ア〜ウに当てはまる勘定科目を答えなさい。なお、? については各自推定すること。
- A社に現金5,000円を貸し付けた。
- 上記1.の貸付金について、その利息250円とともに現金で返済を受けた。
- B社から現金3,000円を借り入れた。
- 上記3.の借入金について、その利息150円とともに現金で返済した。
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 | |
1 | (ア) | 5,000 | ? | 5,000 |
2 | 現 金 | ? | 貸 付 金 (イ) | 5,000 ? |
3 | ? | 3,000 | (ウ) | 3,000 |
4 | 借 入 金 (エ) | 3,000 ? | 現 金 | ? |
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