商品有高帳とは?
商品有高帳は、商品の受け入れや払い出しのつど、商品の種類ごとに、「数量」「単価」「金額」を記録する補助簿です。
商品有高帳は、原価で商品の増減や残高の管理を行います。
商品有高帳の記帳方法
商品有高帳には主に以下の内容を記入します。

- 商品有高帳に記入する内容
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- 商品名
- 摘要:取引の内容
- 受入:商品を仕入れたときや、売り上げた商品が返品された場合に記入
- 払出:商品を売り上げたときや、仕入れした商品を返品したときに記入
- 残高:その日の在庫残高を記入
商品有高帳は商品の種類ごとに記入します。問題文の記載によりますが、A品やB品、紳士服や鞄など商品が区別されている場合は注意しましょう。
同じ商品で単価が異なる場合の払出単価の計算
同じ商品を異なる単価で仕入れたときは、払出単価を計算する必要があります。その方法として簿記3級では、先入先出法と移動平均法が出題されます。
先入先出法とは?
先入先出法は、先に受け入れた商品から先に払い出すと仮定して払出し単価を計算する方法です。そのため、単価の異なる商品を受け入れた場合は、それらを区別して記録する必要があります。
移動平均法とは?
移動平均法は単価の異なる商品を受け入れた都度、平均単価を計算し直す方法です。
平均単価は金額合計を数量合計で割って計算します。

商品有高帳の記帳方法
先入先出法と移動平均法で商品有高帳の記帳方法が異なります。それぞれの特徴について例題を用いて解説します。
先入先出法による記帳
当月のA品の仕入れおよび売り上げは次のとおりであった。先入先出法によって商品有高帳を記入し、締め切りなさい。
4月 1日 前月繰越 5個 @200
7日 仕 入 15個 @240
19日 売 上 10個 @400(売価)
- 4月1日前月繰越
前月繰越を受入欄に記入します。また、月初の時点ではそれがそのまま在庫になるため、残高欄にも同じ内容を記入します。
- 7日仕入れ
商品を仕入れたので受入欄に原価で記入します。また、前月繰越分とは単価が異なるため、それと区別して2行で記入します。(※2行以上使用する場合は「{(中かっこ)」で括る)
- 19日売り上げ
商品を売り上げたので払出欄に原価で記入します。また、払出数量10個のうち、5個を前月繰越分から、残りの5個を7日受入分から払い出したと仮定して記入します。(※2行以上使用する場合は「{(中かっこ)」で括る)
- 30日次月繰越
月末時点の残高を払出欄に移記します。また、受入欄の合計数量と合計金額が払出欄の合計数量と合計金額と一致していることを確認して締め切ります。
- 5月1日前月繰越
4月末の次月繰越を5月の前月繰越に移記して、次期の記帳をスタートします。
移動平均法による記帳
当月のA品の仕入れおよび売り上げは次のとおりであった。移動平均法によって商品有高帳を記入し、締め切りなさい。
4月 1日 前月繰越 5個 @200
7日 仕 入 15個 @240
19日 売 上 10個 @400(売価)
- 4月1日前月繰越
前月繰越を受入欄に記入します。また、月初の時点ではそれがそのまま在庫になるため、残高欄にも同じ内容を記入します。
- 7日仕入れ
商品を仕入れたので受入欄に原価で記入します。また、前月繰越分とは単価が異なるため平均単価を計算します。
- 19日売り上げ
商品を売り上げたので払出欄に原価で記入します。払出数量10個に平均単価を乗じて計算します。
- 30日次月繰越
月末時点の残高を払出欄に移記します。また、受入欄の合計数量と合計金額が払出欄の合計数量と合計金額と一致していることを確認して締め切ります。
- 5月1日前月繰越
4月末の次月繰越を5月の前月繰越に移記して、次期の記帳をスタートします。
練習問題
次のA品に関する取引(4月中)にもとづいて作成される商品有高帳のア〜エにあてはまる数値を答えなさい。
1日 前月繰越 10個 @320 3,200円
8日 仕 入 20個 @350 7,000円
16日 売 上 25個 @600(売価) 15,000円
22日 仕 入 10個 @310 3,100円
29日 売 上 10個 @620(売価) 6,200円

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